「模倣犯」を根暗にまとめる

 日テレで「模倣犯」がやっていた。原作をすでに読み、いろいろイメージができあがってしまっていて怖くて映画はみていなかったのだが、あの長作を2時間でどうまとめたのか気になっていたので結局見てしまった。簡単に見た結論を言うと「なんだあの終わり方は」という感じで。
 参考先→http://mohouhan.yahoo.co.jp/


 まずキャストをもうちょっと慎重にしてほしかった。とりあえず何で中居くんがピース役なんだ。ピースは賢そうだが、実は衝動的で子どもっぽい性格なのに。中居くんは「賢そうに見えない」じゃないか。栗橋役でやっていた津田寛治の方がまだハマっていたんじゃないか、と思う。もうその時点で危険。それと高井和明役の藤井くんもいかん。高井和明は皆から鈍重そうに見えなくてはいけないのに。というか、個人的にもっとずんぐりとした人が良かった・・・。でも有馬役の山崎努はとっても良かった。自分で想像していたお爺さんより渋い感じになってしまったけど、独特の間がなんともいえない。

 原作ではあくまでも塚田真一を軸に展開しているのかと思っていたのだが、映画ではピース(というか、中居くん)を大プッシュ。そんなわけで脇役的になった塚田真一をやっていた子もとっても合っていなかった。一番合っていなかった。だって塚田真一は惨殺された家族の第一発見者だ。「ああ、あの悲惨な事件の・・・」なんて言われちゃうような立場の子なのよ。あんなに明るくてどうするんだよ。葛藤シーンも何もないままに「俺もはじまらない」なんて泣きながら言うのか。無理だ。とってもしっくりしないよ。だったら彼のストーリーは省いた方が良かった気がする。

 「あなたの元で善人に育ててください」というピースの言葉に従って、山崎努が公園で子どもを探し出し、空を仰いでラストとなる。というか、その直前にピースはスタジオで爆発する。もうここら辺で置いていかれたよ。ないよ。もう色々急展開すぎた。原作では前畑滋子にスタジオで追い詰められ失脚するのだが、映画では「それは僕を貶めるための作戦でしょう」とか言ってのけたときは期待した。どうやって閉めるんだろう!と思ってたのに。爆発で青空で終わるなんて。とか思った人はほかにもいたんじゃないんだろうか。

 結果、好奇心で見たのでそっちは満たされたが、やっぱり見なければよかったのだろうか、と。そんな感想。