屍鬼

屍鬼(一) (新潮文庫)

周りから隔絶された集落、外場村(そとばむら)。昔から変わることの無いこの村では、今でも土葬の習慣が根強く残っていた。
平和だった村に最初に起こった小さな変化。それはどこからか移築された古い洋館だった。なかなか越して来ない洋館の住人。ある日壊されていた村中の神像。次々と増える死因不明の死者。
そして、村の住人達は気付く、「この村は死によって包囲されている」と。

久しぶりに朝までぶっ通して通読していまいました。すごく面白かった。もともと十二国記がきっかけで少しずつ本を読むようになったので、小野さんの長編は好きなのだと思う。それでも1巻の途中までは良くいえば丁寧、悪くいえば細かすぎる設定や登場人物の多さにくじけそうになったものの、最初の変化が訪れてからはのめりこませるような勢いがあって先を読まずにはいられないものがありました。排他的だけど静かだった村に起こる「何か」に対峙しようとする人、目を背けようとする人、逃げようとする人、感情や行動が生々しく、後半の方である人物が墓参りをしたときの心情なんかグッときすぎてやばかった。5巻まであるけど、きっとたぶん大丈夫!