となりのクレーマー

ふだん小説しか読まないのですが、ちょっと興味があって買いました。初めての新書だぜ・・・。販売に携わるのは今の職場が初めてなので*1、最初の頃は勝手が全然わからなくてお客さんが言うことを全部鵜呑みにしたりしてたのですけど、世の中には残念なことに悪意を持って難癖を言ってくる人がいたりするというのを最近ひしひしと感じるようになりました。といっても下っ端なので最終的な判断は上司がするのだけど、せめて苦情を言われたときに自分の一言で悪化しないようにしたいなぁとほんのりと思ってます。だって、苦情、怖い。この本は「お客様相談室」にいた著者が今まで体験したクレームの話やクレーム対応の技法などが載ってて、予想以上にためになりました。
目から鱗がぼろんぼろんととれた内容としては「なぜお客様の荷物を預からないか」という事について書かれてたことでした。職場でも入ってすぐ「お客様の私物は預からないこと」「物がなくなっても責任取れないから」というように教えられてて、でもその時は「そうですよねー」くらいにしか思ってませんでした。重い荷物持ってる人がいると「重そうだし、預かってもいいんじゃないだろうか」と思ったりもしてました。けれどここでの事例ではさらに別の可能性として「こちらが何もなくしてなくても『なくなった』と言って金品要求をしてくる」て書いてあって驚きました。驚いたよ・・・。そんな人間が世の中にいるのか・・・てショックだったよ・・・。「荷物を預けたい」という人のほとんどがそういう発想がないとしても、こちら側のできる範囲が決まってるんだなということを悟りました。奥が深いな接客業・・・!!
あと超アグレッシブなので、「出版社のミスやお客さん自身の覚え間違えとかのミスでも、苦情を言われるのは対応をした販売員」ということに納得いかなくてチクチクした接客をしてたこともありました。が、2年やっててだいぶ猫かぶることにも慣れてきて、大概の人は素直に謝ってから相談すれば落ち着いてくれるということも学びました。こちらがチクチクすると相手を逆なでするだけってことにもうちょっと早く気づきたかったな。いまだに大声で怒鳴って威圧的な態度で自分を優位にしようとする人は全滅すればいいと思ってますけど、案外と今の仕事が嫌いじゃないです。接客の仕事をしてる方におすすめしたい!

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)

*1:本屋です