夢の守り人、探偵ガリレオ、悪夢のエレベーター

夢の守り人 (新潮文庫) 探偵ガリレオ (文春文庫) 悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)

発売をすごく楽しみにしてた本。守り人シリーズ3作目の文庫化。この本は主人公の幼馴染に焦点をあてられててどちらかというと主人公は終盤での活躍だけど、それぞれがそれぞれを助けようと無茶をする部分は非常にグッときました。ベタベタとした表現やセリフがないのにあったかくて和む。前2作に比べるとちょっとイメージしづらい細やかな設定があるけど、「読んで良かった!」と本当に思いました。まだまだ次があるのかと思うと嬉しい!

今まで微塵も根拠なく「絶対合わない・・・」と思って敬遠してた東野さんなんですけど、連作で読みやすいかなと思ったのでお風呂の中でちょっとずつ読みました。解説を佐野史郎が書いてて、東野さんは探偵ガリレオは佐野さんをイメージしたらしいとのことですが、私は湯浅さんでした。国際弁護士の。たぶん私のとてもシンプルな細胞が「湯」の字と「変わり者」で連想した結果飛び出たのが湯浅さんだったんだと思います。イメージして書かれただけあって佐野さんもしっくりくるので私の中でガリレオは2パターンになりました。ドラマのガリレオさんはイケメンすぎる気がします。あんなイケメンで助教授でスポーツ万能とかあったら世の中を呪いたくなる。

話が進むにつれて次々と「本当はこんな事情がありまして」ということが露呈してきて「え、マジで?」と何回も思いました。最初は自分のすぐ近くしか見えてなかったものが、モヤがどんどん晴れていって全体が見渡せるようになっていくような、そんな感覚。でもそのモヤの晴らし方がすごくうまいな、と思いました。会話でのやり取りが多くてテンポがいいです。作者さんは劇団を主宰してるとあるので「ああ、そういえば一つの舞台を見てるみたいな感じだったな」と納得しました。登場人物も個性豊かで印象がそれぞれ強い。するすると読めちゃうので軽快すぎる余韻もあるけど手に取りやすいと思いました。