麦の海に沈む果実

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。

いや面白かったです。というか先にこちらを読んでしまったことに読み終わってから気づきました・・・。でも結末よりも過程の方が面白かった。気持ち的には「最終的に主人公の素性はどういったものか」ていう興味を柱にグイグイと読み進めていくわけなのですけども、回りの人間たちが個性豊かで俗っぽくていいです。特に「普段は天使のような雰囲気だけど、実は観察力が凄くあって毒舌だけどでも好きな子には一筋」ていうコテコテなファンタジー男の子が登場してそのコテコテっぷりに鼻血が出そうになりました。夢物語すぎることがさらっと出てくる・・・。一気に読むこともできるし、電車に乗ってる間だけみたいに小分けに読むこともできるのでお薦めです。